life-work:「時代」と「世代」
2021.3.21
なんとなくYouTubeを見ている時に目についたサムネール。
「尾崎豊」のライブの映像。
なにかふと、気になって、続けて何曲か見た。
「卒業」「僕が僕であるために」「シェリー」「15の夜」「I Love You」・・・・
久しぶりに見た彼の歌う姿、表情、その声。
なんだか胸が熱くなって、ちょっと目頭が・・・・
いやぁ、なんだろう、この感覚・・・・
そのままの流れで、今度は「THE BLUE HEARTS」。笑
「リンダリンダ」を歌うヒロトの姿を初めてテレビで見た時の、あの衝撃とインパクト。
「キスしてほしい」「人に優しく」「終わらない歌」「ハンマー」「チェインギャング」「Too much pain」・・・数え上げたらキリがない。
映像を見ているとやっぱり、全く同じ感覚が込み上げてくるのを感じた。
両方とも、自分がまだ20歳になるよりもずっと前から、文字通り「熱狂」していたミュージシャン。
圧倒的な懐かしさ。それも、もちろんある。
でも、何か、胸の奥底の方が刺激され、湧き上がってくるこの感じは、また別のモノだ。
彼らの歌詞の中にも度々登場する「大人たちへの反発」。
大人=支配、抑圧。
大人=権力や世の中の象徴。
大人=反発する対象。
大人たちへの「怒り」や「憤り」を、歌詞やメロディーに乗せて、そしてカラダ全体から発する圧倒的なパワーや熱量と共に僕らに投げつけてきた彼ら。
ごく普通の中学生、高校生だった僕らが、彼らが感じていたような「抑圧」を受けていたとも「怒り」を感じていたとも思わないけれど、同じではなくとも、どこか心の奥底で感じていた、押さえ込んでいた「何か」。それが彼らの歌というスイッチによって、一気に爆発し、表面化し、それによって、初めてそれを「意識」するようになったんだと思う。
その時、初めて意識した言葉。
それが「自由」というキーワード。
でも、ハッキリいって、「何から自由になりたいのか?」なんて、全然わからなかった。
だって親はなんでも自由にやらせてくれたし、先生に縛りつけられてたことも大してないし・・・
ただただ「自由」というコトバに対しての憧れや衝動だけがあった。
あの頃、いったい、なんであんなに「自由」を求めていたんだろう・・・?
自由・・・・なんて素晴らしい響きなんだろう。
でも・・・自由とは・・・・なんぞや?
「自由とは?」
「自由に生きるとは?」
そんなことばかりをひたすら考え、悩み続けた20代からの約10年だったような・・・
「20代。自分。自由。」
そんなテーマで必死に考え、叫び、出版し続けた本の多くはベストセラーとなった。
今さらながら、多くの同世代が「自由」を求めていた時代だったんだな、と気がついた。
同じ本を今出版しても、きっと、全く売れなかったんだろうな・・・
時代、世代・・・・
今年で46歳。
生まれて初めて「時代」や「世代」というものを言葉ではなく「実感」した気がした。
きっと、僕らの世代は「自由」を求めた世代。
抑圧されていた「何者か」からの精神的な「解放」を求めた世代。反抗したがりな世代。
きっとそんな世代、そんな時代だったんだと思う。
そして、今。現代。
幸いなことにSOULTREEというお店のおかげで多くの20歳前後のスタッフたちと酒を飲んだり、話をする機会に恵まれている。
彼が「自由」を求めているか・・・・?
そして今、僕自身が「自由」を求めているか・・・?
答えは「否」だ。僕が感じる限りでは。
いつの時代だって、全員が同じ気持ちじゃないし、例外なんて、いくでもあるけれど。
若い彼らに、彼女らに取って、「自由」なんて、すでに「当たり前」にあるもの。
そして、「あの時代」に生きていた僕も、今は同じ気持ちだ。
自由とはなんぞや・・・・?
そう思い続け、悩み続けてきたけれど、最後にたどり着いた答えは
「自由なんて、すでに最初からあるもの」だった。
少なくとも、日本で暮らす多くの人にとっては。
あらゆる選択肢を手にしながら、僕らはこの国で暮らしている。
学校だって、仕事場だって、人間関係だって。
自分が決断を下せば、行動すれば、いつだって選択できる。いつだって手放せる。
最初から、数え切れないほどの選択肢が目の前に用意されている。
それって、とてつもなく幸せな環境だ。
自由なんて、もう過去のモノだ。
これからはどういう時代なんだろう?
どうしたら、もっと幸せに暮らせるんだろう・・・?
そんな時代なんだろうか?
周りの誰かを幸せにすると、なんだか自分もすごい幸せな気持ちになる。
幸せって、意外と1人ではなく、誰かと一緒に感じるモノなのかも・・・
そんなふうに思ったりもするけれど、それがわかるのは、まだずいぶん先の話だ。
時代は、世代は「自由」のその一歩先へ。
コロナという混乱を機に、またそれは加速して。
新しい時代。
楽しみだな・・・・
尾崎やブルーハーツに、、唐突に「時代」を感じたある1日でした。