Volume:03 「メモとノートとスケールを」
出版の仕事、デザインの仕事はまだまだハチャメチャに忙しかったけど、次なる目標に向かって準備を少しずつでも始めようと、この頃からラフスケッチや気になる空間の写真を切り抜いてスクラップするようになった。
当時は小さなデジカメを持ち歩いていたけど、今ならスマホで写真を撮っておくこともできるから、自分が好きなものや気になる物、空間や照明や家具、あらゆる「好きなもの」を撮り貯めておくと良いと思う。
もちろんGoogleの画像検索やピンタレストなんかもアリ。「そういう目」で街を見渡すと好きなものやカッコいいものはそこいらじゅうに溢れてる。
実際に空間をイメージする時に細かい部分まで参考になるのはもちろん、大工さんや様々な職人さんに「自分のイメージ」を伝える時にも言葉だけよりビジュアルを見せた方が圧倒的に伝わりやすい。
そして何より「自分の好きなもの」を集めて並べてみると、改めて「自分のこと」がよくわかる。
「俺って意外とアメリカ好き? ヨーロッパ好き? 工場好き? アンティーク好き?」などなど、意外な発見もありつつ、それが新たな広がりを生む。
あとはお気に入りのノートを1冊。いつも持ち歩けるメモ帳を1冊。そして小さめで良いのでスケール(メジャー)を1つ持ち歩くのがオススメ。
外を歩いていて気になることを写真で撮りつつ、思いついたことはすぐにメモしておく。
スケールは気になった部分をどこでも採寸。座り心地の良い椅子とテーブルの高さや大きさとか(お店の場合はコッソリとね)、天井の高さとか、階段の段差や廊下の幅など、自分が「これくらいが心地いい」と感じる高さや広さや大きさなどを「数値化」しておくと実際に図面化する時などもすごく便利。そして、その数字を忘れぬうちにメモ帳へ。
各所でメモった「カケラ」をまとめておくためのノート。イメージを積み重ねていくためのノート。メモったものを1冊のノートにまとめておくと後からすごく見やすい。
少しずつ積み上げたものがたくさん集まると、だんだんと「輪郭」を現してくるのがわかる。焦らずコツコツと積み上げるのがポイント。
雑誌やパンフレットの切り抜きやカッコいいお店のショップカードなどを保管するならファイルが1冊あっても良いかもしれない。
これはあくまで個人的な感想だけど、スマホやパソコンなどの「データ」でみるよりもノートやメモ、手書きのラフスケッチ、切り抜きなどの「紙もの」のほうが、圧倒的にイメージしやすい気がする。
後から書き加えたりもしやすい。
ノートはうっすらと青い線の方眼が入っている「プロジェクトペーパー」が好きだ。
メモリが入っていることでイラストや図面を描くときも長さの感覚がつかみやすいし。
ノートのサイズはA6とA4サイズを使用してる。A6サイズはメモと呼ぶには少し大きいけど、絵も描き込みたい時には少し大き目が重宝する。
ラフスケッチは上手いに越したことはないが、下手でも全然オッケー。ちなみに俺はクソヘタです。デザイナーなのに・・・。
ま、自分がわかればオッケーだからさ・・・
メモとノートとスケール。
これは今でも変わらず持ち歩く定番の3点セット。