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story:Volume:07 「そもそも・・・」

2018.10.18

 

 

なんとなくのノリと勢いで物件を探し始め、「このままいけば、見つかるかもな」なんて思えるところまできたのは良いけれど、リアルに自分の状況を見てみると、そもそもいくつかの「大きな問題」があった。                   

 

問題その壱:「そもそもお金がない・・・のだ」

 

今思えば自分でもアホらしい話なんだが、この時、そもそもお金を持っていなかった。

よくもまぁ、金もないのにそんなに一生懸命物件を探せたもんだ・・・・

正確にいうと借金はなかったが、貯金はゼロ。そんな状態だった。

ただ、貯金がないんだから・・・・そりゃ、選択肢は「お金を貯めてからやるか?」もしくは「借金してでもやるか?」だけだ。

「投資」なんてのもあるんだろうけど、この時の自分には縁がなかったし、もしあったとしても人にお金をもらってやるような内容でもない。

今では「クラウドファンディング」なんてのもあるから、そんなに簡単ではないだろうけどお金を集める方法も前よりは増えてきたのかな。

 

ただ、この時の自分には2択だった。

 

Dead or Alive? いやいや・・・「貯金?」or「借金?」

さて、どちらの道で行くか・・・

 

20〜30歳の約10年間を丸ごと借金との「同棲生活」で過ごしてきたような自分でも、やはりいつだって借金するのは怖いもんだ。

恋愛と一緒で、楽しかった思い出と同じくらいキツかった思い出もある。

そりゃあ、手元に充分なお金があって、それを元に始めるのが一番だ。そんなの当たり前だ。

でも、残念ながら貯金は1円もないのだ。

でも、どうしてもやってみたいのだ・・・

そりゃ、怖い。でも、やりたい・・・

 

どちらの道で行くか・・・?

でも、さすがに30歳を超えてくると、なんとなく自分の性格くらいはわかる。

それまでの人生を思い返してみても「お金が貯まってからやる」という選択は自分には無理な気がした。

昔からお金を貯めるのはあまり得意じゃないし、一度「やろう!」と思いはじめたら、すぐに始めたくなる性格だから・・・

 

だって、そのお金を貯めるのに一体何年かかるんだろう? 3年? 5年? 10年?

その間に色々なことがあり、状況は変わり、いつのまにかテンションが下がって、結局やらないんだろうな・・・・容易にそんな想像がついた。

 

そう考えると「貯金」も「借金」も、自分にとってはどちらもイバラの道に思えた。

同じイバラの道なら、行く道はひとつだ。

 

10年に渡る自業自得の借金生活でひとつ思ったことがある。

「借金は良いことだ」なんて言うつもりは微塵もないし、人に勧めるつもりも、できれば自分もしたくはないけれど、

高利貸などではなく、銀行や国の機関などを通して安い利子で金を借り、それを何があっても「確実に完済する」という条件を付け加えるのであれば、

多少の利子と引き換えに、お金と共に「時間も前借り」させてくれることが、借金(=融資)の唯一(?)のメリットだと思う。

つまり、3年間お金を貯めて、その後にお店を始めた人と、

借金をしてすぐにお店を始めて3年間で完済した人とでは、

3年早く始められるという意味で「3年間の経験値(=時間)」という違いが生まれる。

「確実に完済できる」のであれば、特に若い時のこの3年間というのはとてつもなく大きな時間と経験値だと思う。

 

もちろん「確実に完済できる」保証なんてどこにもないし、現実的には2〜3%(たぶん)の利子と、「自分は借金をしている」「潰れたらどうしよう?」という精神的な不安や恐怖との戦いもあれば、

実際にお店を潰したらその後しっかりと働いて完済しないといけないという「リスク」は当然ある。それはリアルだ。

でも、「リスク」はそのまま人生の経験値でもある。

リスクを背負うことで、本当の意味で「自分」と向き合うことができたりもする。

自分の精神的な強さ、弱さ、人との関わり方やその大切さ、ありがたさ、どこまで自分が「本気」なのか・・・・などなど、うまくいっている時は良いけれど、うまくいかなくなればなるほど、「本当の自分」が見えてくる。

リスクを感じれば感じるほど、今までなんとなく流してきたことや目をそらしてきたことが「リアル」としてハッキリと自分の前に姿を現わす。

そのリアルは、決して楽しいことばかりじゃないけれど、その「経験」と「自分と会話する時間」というのは、そのリスクに見合った価値があるものだとは思う。

そして、銀行や国の機関は、いっぱい借りたくてもどうせ「返せる分だけ」しか貸してはくれないのでね・・・「逃げ出す」ことさえしなければ確実に返せるから・・・

 

「借金は良いことだ」なんて言うつもりも、人に勧めるつもりも・・・・なんて書きつつ、かなり肯定的な書き方をしてしまったけれど、

僕が言いたいのは借金(=融資)は決して良いことではないけれど、誰もがイメージするほど絶対的に「悪いこと」だけではないということです。

「借金=Dead」or「貯金=Alive」? 「貯金=Dead」or「借金=Alive」? どちらもあると思うのです。

そして、借金しても、失敗しても、そんなことで人生は終わらないと思うから。

 

お金の話に関しては、みんなそれぞれの見解があるだろうからあまり触れないでおこうと思っていたのに、ついつい長々と・・・・

 

ひとまず・・・

この時の僕は「借金してでも先に始める」という選択肢をとった。

 

詳しい話はまた追って。

 

なんせ大きな問題は他にもあって・・・・

 

 

 

 

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