story:Volume:20 「転がる交渉劇〜その2」
2018.11.30
さてさて、引き続き契約のお話。
数日後にきた大家さんからの回答は、
「家賃44万円」「保証金6ヶ月」「礼金1ヶ月」。
オレが最初に投げた数字「家賃47万円→35万円」「保証金10ヶ月→3ヶ月」には遠く及ばないけど、おそらくこんなもんだろうとは思ってた。
さて、ここからどうするか・・・?
問題なのは、この時の大家さんからの返答の内容だ。
「これ以上は無理です。この数字が限界です」という内容だった。
この返事が返ってくると、これ以上の「大幅な値引き」ってのは難しい。
でも、逆に考えると、「確実に借ります」という前提で話を進めれば、「家賃を1〜3万円」「保証金1〜2ヶ月」と、あとちょっとずつ値引きすることは可能なことが多い。
ここでちょっと迷った。
「もう一声」とわずかな値引きをお願いして、もう借りてしまおうかな?
だって、もうずっと探し続けてる。正直、もう物件を探すことにウンザリしてる気持ちもある。
ピンッと来てる物件をだらだら交渉していると、その間に他の人が申し込みをかけてきて横からさらわれる、なんてことも何度かあった。(備考:不動産屋さんが「他の人も申し込みかけてるんですよ」という話は8割がた焦らせて借りさせようとする「ハッタリ」だけど、2割くらい「本当」ってことがあるので注意しましょう。残念ながら、このハッタリの見破り方がいまだに見つけられておらず、誰か知ってる人がいたら教えて欲しい・・・)
この物件を「借りたい」という気持ちが強かったオレは、大家さんの反応から、家賃&保証金のわずかな交渉に加えて、別のアプローチをとることにした。
それが「フリーレント」。
要は、物件を借り、改装する間の「営業できないけど発生してしまう家賃」をタダにしてくれってやつだ。
「フリーレント」ってのは家賃や保証金が減る訳ではないので、大家さんの心理的に「お金が出て行く、減る」という感覚があまりしないためか、意外とあっさり飲んでくれることが多いけど、今回の家賃でいえば、フリーレントが1ヶ月、2ヶ月つけば44〜88万円のお金が浮いたことになるんだから、実はかなりの値引きになる素敵な方法だ。
実際、この「フリーレント」に関しては、大家さんもあっさり「2ヶ月」飲んでくれた。そんでついでに保証金は一ヶ月だけ値引き。
「家賃44万円」「保証金5ヶ月」「礼金1ヶ月」「フリーレント2ヶ月」。
これが最終回答。
大家さんとやり取りしてる感覚では、もうここがイッパイイッパイ。
「よし、これで借りよう」
ここで決断することにした。
もうこれ以上の無駄な交渉は大家さんとの関係を悪くするだけだ。
決断した僕は、さっそく担当の不動産屋さんに連絡して、この条件で借りる意思があることを伝え、実際に物件を見ながら、大家さん側でやってくれる「工事内容」の確認をさせてもらいたいと付け加えた。
「大家さんがどこまで工事を行ってくれるのか?」は自分の予算にも関わる大きな問題だからね。
ふぅ・・・・ついに・・・・
まだ契約が終わったわけではないのに、不動産屋さんにメールで要件を伝え終わると、なんだかホッとして、体の力が抜けた。
このあと大変なことが山ほどあるのは分かっていたけれど、ここまでの道のりが長すぎて、なんだか1つのことをやり遂げたような気になった。
が、しかし・・・・
ここから契約書にハンコを押すまでに、実に2ヶ月という時間がかかったんですがね・・・