Volume:00 「精神と時の部屋」に入って色々と考える
20歳の頃からアニキと出版社を始めて、もうかれこれ20数年が経つ。
それこそ20代の頃は、中高生が先生に反抗するのと同じようなテンションで、よく知りもしない世の中に向かって声高に「自由、自分」を叫び続け、自分自身もその叫びの中で必死に「自由っていったいなんなんだ?」ってのを探し続ける毎日を過ごしていたように思う。
出版社での活動と合わせて、当時は自分の作った店でバーテンダーとしてカウンターに立つことも多かった。
渋谷センター街の外れ、カウンター、深夜。どうやったって「濃い」人が集まってくる。
アーティストからクラブDJ、会社員から公務員、ゲイからストーカー、時には自殺志願者まで、年齢、性別、国籍問わずのカオスな空間。
そんな空間でもカウンターを挟んで毎夜交わされる会話は、やはり「自由とは? 仕事とは?」「人生を楽しく生きていくとは?」といった話が多かった。
今思えば、ほんと、暑苦しいバーテンダーだったと反省するが、その当時は自分自身も、その答えを見つけようと必死だった。
何が自由かよくわからないが、とにかく自由になりたかった。かっこよく生きてみたかった。
それはもう数え切れないほどの、いろんな人の人生を聞き、語り、考え続けた。本当にいろんな人の、いろんな人生があった。そして同じ数だけの考え方があった。
25歳でバーテンダー生活に終止符を打ち、そこからはデザイン一本になったけれど、その頃から今に至るまで「自由とは? 人生とは? 時間とは? 人間関係とは?」なんてことを考え続ける日々は変わらず送っている気がする。
これはもう、習慣だ。
趣味みたいなもんだ。
30歳も後半に差し掛かった頃にSOULTREEができて、そこから僕の人生の第2章だか3章だかが始まった。
10人を超える10歳以上も年の離れた後輩たちと酒を飲んではあの当時話していたようなことを語り合う日々が再び始まった。
僕はいつもこの場所にいて歳を重ねていくが、スタッフの多くは長い年月の中で少しずつ入れ替わっていく。
本当にたくさんの若いスタッフたちと酒を飲み、人生について語ってきた。
話す内容はスタッフの年齢が、そして時代が変わっても、意外にもそれほど変わらなかった。
「自分の人生がどしたら素晴らしいものになるか? 楽しくなるか? カッコよく生きられるのか?」
皆がそれを真剣に考えている気がした。
唯一変わったのは僕の年齢。そして視点。
20年以上にわたって考え続け、語り続けてきた日々。そして当時の自分を見ているようなスタッフたちとの会話。
そんな日々の中で、いつからか僕の視点は、少し「俯瞰的」になった。
店の中で起きるさまざまなトラブルや、人間関係、楽しいことも、悲しいことも、目の前で現在進行形でそれを感じている自分と、それを少し上から眺めているもう一人の自分がいる。
そして、俯瞰的な視点を持つようになったことで、少しずつ「ヒント」が見えてきたような気がした。
自由とは? 時間とは? お金とは? 仕事とは? 人間関係とは?・・・・・もしかして、こういうこと?
ぐちゃぐちゃと人間味溢れる毎日を過ごす中で、起きまくるトラブルを必死に解決していくうちに、たまに見える「もしかして、こういうこと?」っていう一筋の光。
それを忘れぬうちに、記しておく場所があればいいなと思い始めた。
そして、少なからずとも、誰かこれを見てくれる人がいれば、何か新しい気づきをくれるかも。
そんな期待を込めて、自分のノートではなくブログにしてみることにした。
それが「精神と時の部屋」。
もちろん、ドラゴンボールの・・・あの部屋だ。
たまに気がついたことを、ここに記して溜めておこうかと思います。
ここに書くことは、「答え」でも「教え」でもありません。
だって、僕自身がそれを探し中だから。
ここに書くのは僕の「気づき」や「ヒント」そのカケラです。
そのカケラがピースになって、そのうち一つの大きな絵になれば、そんな願いも込めて。
それでは、はじまりはじまり。