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%e7%b2%be%e7%a5%9e%e3%81%a8%e6%99%82%e3%81%ae%e9%83%a8%e5%b1%8b:Volume:01 「今」という時間

2019.10.26

 

 

数年前、SOULTREEで「文化祭」という名の下、スタッフ全員とゲストアーティストの皆さんでそれぞれに作品を作り展示するというイベントを開催したことがありました。

その時の作品のテーマが「PRESENT」。

 

PRESENT=現在・今/(人が)(一緒に)いる、居合わせる/贈り物

そんなテーマでのモノ作り。

 

自分で言いだしたテーマではあるけれど、さて、何を作ろう・・・

 

贈り物という意味もあるけれど、僕が気になったのはこの言葉の「今」と「いる」という2つの意味。「いま、ここに、いる」というすごく当たり前のようで、すごく漠然としたつかみどころのない2つの意味。

「今、ここに、いる」って、一体どういうことだろう・・・?」

その意味を自分の中で探してみようと思い、メモを書くようにノートに文章を書き始めたのがこの本「PRESENT」を作るきっかけでした。

 

もうかれこれ20年以上、ブックデザイナーとしてたくさんの本をデザインしてきたけれど、実際に自分で文章を書くなんて、いつ以来だろう・・・? 20歳の頃に一度、当時イルカが大好きで、その勢いで出版した高校生の作文のような本が一冊あったようななかったような・・・

それ以来、自分が文章を書くことなんて、考えたこともなかったけれど、せっかくの文化祭の自由なモノ作り、そんなチャレンジもいいかな、と思い慣れない文章をつらつらと書き始めました。

 

「今、ここに、いる」って、一体どういうことだろう・・・?」

「イマヲイキル」っていうことかな?

じゃぁ、イマヲイキルってなんだろう?

・・・・・・・・

考えれば考えるほど、それはすごく、漠然としていて。

 

今、僕は、ここに、確かに「いる」けれど、

頭の中はいつも、「過去」や「未来」のことばかり。

数え切れないほどの過去の失敗を悔やんだり、悩んだり、まだ見ぬ未来の心配をしながらそれに備えるためだけに使われ続ける「今」というこの時間。

それはきっと、「イマヲイキル」とは真逆の・・・

 

じゃぁ、どうすればいいんだろう?

そもそも、「時間」ってなんなんだろう?

 

そうやって考えてはノートにつらつらと。

 

 

 

時間はお金と同じって言う人もいるけれど、本当にそうかな?

だって、時間はお金のように、誰かに貸したり、あげたりもらったり、貯めることだってできないのに・・・

時間を「貯める」ことができたら、本当に助かるんだけれど・・・

でも、時間は、今、その時、その一瞬しか存在しないもの

誰かにあげたりもらったりもできない、自分だけのもの・・・命みたいなもの

 

Time is Life.

時間は命のようなもの・・・・

 

 

あげることはできないけれど、何かに「使う」ことはできるもの

時間を何かのためや、誰かのために使うこと

それは、自分の「命」を使うこと

だから・・・

大好きなことに、少しでもたくさん使いたい

大好きな人と、少しでも一緒にいたい

嫌いなことには・・・なるべく使いたくない

 

何かの、誰かのために使う大切な「時間」

「使いたい」と感じるその長さは、きっと「好き」の大きさ

 

Time is Love.

時間は愛情にも似てる

 

 

プレゼントをもらうと嬉しい

でも、本当に嬉しいのは、箱の中身じゃなくて

その人が、自分のことを想い、使ってくれた「時間」があったこと

 

誰かが自分のために、大切な時間を使ってくれたこと

それが何より嬉しいこと

その気持ちが、何よりの贈り物

 

Time is Present.

時間こそ、何よりの贈り物

 

〜本文より抜粋

 

 

そんなふうにひとつひとつ。

こんがらがった紐を少しずつ解いていくような。

回転の遅い頭をぐるぐる回し、一つのことを深く考え続ける作業。

でも、そんな時、ふと気がついたんです。

「あぁ、この感じが、イマヲイキルっていう感じだ」って。

専門家の間では「マインドフルネス」なんて表現もされるけれど、要は、今、この瞬間に「マインド」が「フル」な状態。

未来でも過去でもなく、「今」に心がフォーカスしている状態。

何か目の前のコトに、モノに、ヒトに、ココロがフォーカスしている時に、きっと、人は「今を生きている」んじゃないかな・・・

自分の感情が、今、ここに、いる。ということ。過去に後悔せず、未来に飛ばず。

 

生まれてから今日まで、「今」を山ほど積み重ねて出来上がってきた僕の「過去」。

もちろん、数え切れない失敗も、後悔もあるけれど、でも、それこそが今の僕を作ってきたもの。

今、僕がこうしてSOULTREEという場所にいて、たくさんの素晴らしい仲間たちや愛する人々に囲まれて暮らしているのは全てその「過去」があったから。そう考えれば全てが「必要」な経験だったのかもしれない・・・そんなふうに。

 

「今」をどう生きるかで、過去の意味は変わる。変えれる。

「今」をどう生きるかで、きっと未来も変わる。

過去は僕を縛る「鎖」じゃない。

過去は僕を導く「水先案内人」。

「未来」のことなんて、どれだけ考えたってわからない。

だって「今」の積み重ねだけが、未来を作るから。

 

だから、できる限り「今」を大切に。

僕は仙人じゃないから、四六時中「今」にいつづけることは、相変わらずなかなかできないけれど。

それでもできるだけ。

今、一緒にいる、目の前の人との時間を。

自然の中では、風を、景色を思う存分感じ、楽しんで。

仕事の失敗に落ち込むことも。たまに成功してガッツポーズすることも。

全てはその「瞬間」に湧き上がる感情。それを感じたい。

誰かのライブに熱狂するように、音に合わせてカラダを揺らすように、いつも、その瞬間を。

そして、その感情の振れ幅こそが、生きている実感だと思うから。

泣いて笑って怒って、たまには落ち込んで。

あっちゃこっちゃに飛び回る自由な感情を抑えることなく今日もまた。

 

未来のことなんて、僕にもわからない。

でも、きっと、「今」を全力で楽しむことができたなら、未来の「今」も、同じように全力で楽しめる自分がいると思うから。

だから未来の心配なんて、これっぽっちも・・・・とまでは言えないけれど、あんまり必要ないかなって。

 

そんなふうに思うようなったわけです。

 

 

そうやって、色々と考えまくってできた本。最初は手製本で2冊だけ作った本。

「PRESENT」

 

文化祭からしばらく時間は経ったけれど、せっかくだから冊子にしてみようと思い立ち、改めて今思うことを少しだけ書き加えて。

 

SOULTREEの店頭とWEB SHOPだけで販売する簡単な冊子のような本ですが、ぜひ読んでもらえたら嬉しいです。

 

SOULTREE ORIGINAL WEBSHOP

 

 

ご興味を持っていただけた方は、ぜひ一度ごらんください。

 

 

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