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%e7%b2%be%e7%a5%9e%e3%81%a8%e6%99%82%e3%81%ae%e9%83%a8%e5%b1%8b:Volume:06 ラシサニトラワレルベカラズ

2019.12.5

 

 

お店でも会社でも、「チーム」で何かをしようとすると、自然と「肩書き」がついてまわることが多い。

社長や店長、社員にアルバイト、リーダーにサブリーダー、キャプテン・・・

チームで何かひとつの目的を達成するために自然と生まれるこの役割分担=肩書きは、決してそれ自体が悪いものではないと思う。

 

問題は、この「肩書き」が持つイメージ。

「社長とは」「店長とは」「リーダーとは」「男らしさ」「女らしさ」・・・

どこからくるのかはわからないけれど、それぞれの肩書きには漠然とした「イメージ」があると思う。

この肩書きが持つ「イメージ」に縛られはじめると、途端に本来の力を発揮できなくなる人が多い気がする。

 

社長なのに、店長なのに、リーダーなのに・・・・

よく言われる言葉ではあるけれど、それは人それぞれがその肩書きに対して持っている「イメージ」であって、法律でも、決まり事でもなんでもない。それは僕らが持っている「常識」なんかと同じようなもので、場所が変われば、人が変わればコロコロ変わる、すごくあやふやな存在だ。

 

とはいえ、実際にはこのイメージや常識が持つ「拘束力」ってやつがなかなかに強く、手ごわいのも事実・・・

 

本来、なんの拘束力もないこのイメージや常識に、自分たちがいかにと囚われているか・・・? チーム内で何か問題が起きた時や人間関係に亀裂が入った時、それを解決しようとその問題を突き詰めていくと、たいていの場合その発端が、それぞれの持つ「イメージ」であることが多い。

社長なのに、店長なのに、リーダーなのに・・・・

その後に続く言葉は、たいていその人がその肩書き「らしくない」ことへの不満だ。

 

でも、そんなとき、ふと思う。

「らしい」か「らしくない」ということが、それほど大きな問題なんだろうか?

チームがあり、そこにそれぞれの役割分担=肩書きが生まれるのは、何かの「目的」を「達成」するためであって、それぞれが「らしさ」を演じるためじゃない。

「目的を達成すること」と「それぞれがらしさを演じること」。この2つの優先順位が入れ替わってしまうと、チームは途端に方向性を見失い、推進力を失ってしまう気がする。

 

例えば店長は全体に気を配り、人件費や原価などの数字を管理し、シフトに気を使いながら、なおかつ舵を取りみんなを引っ張って・・・なんてイメージがある気がするけれど、そんな完璧な「スーパー店長」なんて、本当にいるんだろうか・・・?

仕事柄、今までたくさんの「優れたリーダー」と呼ばれる人たちに会って話を聞いてきたけれど、実際に「何から何まで完璧だな」と思うリーダーに会ったことは一度もない。

どのリーダーもとてつもない実績と光を放っているけれど、決して「完璧な人」ではない。クセがあり、穴があり、得手不得手がある。

でも、すごいリーダーほど、自分を無駄に「らしく」見せることなく、逆に冷静に自分の強さと弱さを分析し、よく知っていて、自分の「弱い部分/苦手な部分」をしっかりと「得意な人」に任せている、補ってもらっている。

そして、その分、自分の持つ「強さ」をより輝かせ、より強い光を放つから、周りの人から見ると、一見「完璧な人」「とてつもなくすごい人」に見えるけど、それは決して苦手な部分や弱点が「ない」からではなくて、その部分を隠すことなく、誰かにしっかりと「補って」もらっているからだ。補ってもらっていることで目がくらむほどの光を放つから、その弱点が見えなくなるだけだ。

 

とてつもないリーダーシップを持っているけれど、数字が苦手な人もいる。

素晴らしい企画やアイディアを思いつくけれど、お金の計算が苦手な人もいる。

もちろん、数字やお金の計算は得意だけれど・・・という人もいる。

一対一の接客に全てのエネルギーを注ぐ人もいれば、全体を見渡して満遍なく気を配れる人もいる・・・・

 

チームにとって最も大切なことは「皆で目的を達成する」こと。

だとすれば、数字が得意な人が計算をし、お金が得意な人がお金を管理し、アイディア豊富な人が企画立案をし、リーダーシップを取れる人が全力で旗を振る・・・方が、よりゴールに近づけるんじゃないだろうか・・・?

そのためには、まずは自分自身が、自分の「強みと弱点/得意、不得意」を冷静に分析して、それを素直に受け入れて、「らしさ」や「肩書き」が持つイメージやプライドに縛られることなく、自分の「不得意」な部分を「得意」な人に補完してもらう勇気が必要なんだと思う。

そのちょっとした勇気が、自分自身が持つ「パワー」を解き放つ「鍵」になると思う。

簡単に言えば、自分の苦手なことは変に抱えこまず、さっさと誰かに「お任せ」して、その分誰かに補ってもらった全ての「時間とエネルギー」を得意なことに注ぎ、最大限の結果を出すように頑張る。そして、できれば自分が得意なことだけに集中できるように、自分の穴を「保管してくれた相手」に「ありがとう」を伝えること。

 

自分の肩書きが持つ「イメージ」や「プライド」を守ろうとすればするほど、苦手なことやモチベーションの上がらない作業に消費する「時間」や「労力」が増え、得意な部分をより輝かせるためのエネルギーが削られていく。

モチベーションやエネルギーが削られていくうちに、いつの間にか、大事なことが「目的を達成すること」ではなく、「らしくいること」に変わっていく・・・

 

チームは「目的を達成するため」に組むもの。

そのためには「得意な人が得意なことをやる」というシンプルな役割分担が必要なんじゃないかと思う。

チームも結局は「人間関係」によって成り立ってる。

だからやっぱり、それぞれがパズルのピース。

自分が本来持っている凸(デッパリ)と凹(ヘコミ)、そのカタチを「らしさ」や「イメージ」に合わせて無理やり変形し、押し込むことなく、それぞれの「得意不得意」に合わせて自然にピースをはめていけば、自ずと1枚の綺麗な絵が出来上がると思う。

 

「らしさ」や「イメージ」なんていつもあやふやだ。

それは決まり事でもなければ、自分を縛る鎖でもない。

らしくないリーダーでも、らしくない店長でも、

アルバイトの子が数字を管理していても、お金を管理していても、

別にいいじゃないかって思う。

それが「目的を達成するための最善の方法」なのであれば。

大切なのは「らしく」いることじゃなく、チームで目的を達成すること。

目的を達成して、皆でガッツポースをしビールで乾杯すること。

達成感や満足感を得て、その経験を積み重ね、より成長すること。

それによって得る結果は、時にお金であったり、地位や名誉であったり、経験値であったり、そのカタチは人それぞれだけれど、

その結果にたどり着くまでの「過程」そのものが、実はチームで何かするときの、1番の「楽しみ」だったりもする。

その「過程」があってこそ、初めて「結果」に対して一喜一憂できるから。

その過程こそが「経験値」となって、その積み重ねが自分をより成長させるから。

 

 

恋愛や家族でも、お店でも会社でも、大企業であっても。

結局のところ「チーム」は「人間関係」によってできていて、その結果の良し悪しも「人間関係」によるところが大きいのかなぁっと、最近は思う。

 

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