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%e7%b2%be%e7%a5%9e%e3%81%a8%e6%99%82%e3%81%ae%e9%83%a8%e5%b1%8b:VOLUME:10 「自分は本当に何がしたいのか?」なんて、いったい、いつになったらわかるんだろう・・・?

2019.12.18

 

 

ずいぶんと前からバーをやってみたり、出版社をやってみたり、そのあとグラフィックデザイナーをやりつつ、お店の空間づくりをしてみたり・・・このお店を作る時に大工さんや色々な職人さんに教わった技術を基にお店の家具や備品を作ったり、2階の工房ができたからお店で使うモノや販売するモノを色々と作ってみたり・・・・と、いつも「やってみたいなぁ」っと思うことを長い間あれやこれやと本当に色々やってきた気がするけれど、もし、今、誰かに「あなたの本当にやりたいことってなんですか?」「夢ってなんですか?」とか聞かれたら、多分「いや、わかんないっすね・・・」って、答えてしまう自分がいると思う。

 

「自分は本当に何がしたいのか?」なんて、もう40代の半ばを迎えてるっていうのに、いまだにわからないってのが正直なところだ。

小さい頃から「プロスポーツ選手になりたい!」とか「保育士になりたい」とか「消防士になりたい」とか「ミュージシャンになりたい」とか、自分の進む道や目指す目標が明確な人ももちろんいるけれど、早ければ高校や大学の進路相談、遅くとも就職活動などを含め「自分の仕事」を意識し始める頃には、周りからも「将来何がしたいのか?」と問い詰められる機会がすごく多くなって、自然と「自分は一体何がしたいんだろう?」って、そんなことを思い悩んでしまう人も多いんじゃないかぁっと思う。

 

だよね、そりゃ、わかんないよね・・・俺もわかんないもの・・・いまだに。

 

だってさ・・・

「将来何になりたいのか決めろ」って言われても、それを「やったことない」ものね、まだ。

「やってみたいこと」は色々あるよね、大小問わず。

「やってみたこと」に対しては、「もっとやりたい」とか「もうやりたくない」とか言える。

でも、「やったことない」ことは実際にやってみないと、なんとも言えない・・・好きも嫌いもわからない。

でも逆に、やってみれば、一発でわかる。

だから、すべては「やってみる」しかない。

 

ちょっと前に、心のお師匠の森永さん(森永博志さん)と飲んで話している時に、ちょっと酔っ払った森永さんが笑いながら「俺なんていまだに自分が何をやりたいのかよくわからないもん」って言ってるのを聞いて、ちょっとびっくりしたのを覚えてる。

編集者でありライターであり小説家でありアーティスト。もうすぐ70歳を迎えるってのに全くエネルギーを失うことのないパワフルな人。エネルギッシュだったあの時代の原宿を中心としたカルチャーを担う1人である森永さんの口から、まさかそんな言葉が出るとは思わなかった。

どうみても「好きなことを思うままにやってきた人」だ。

昔のことはもちろん話を聞いてしか知らないけれど、今でも、いつ会っても何かにワクワクしてる人。パワーや閃きを渡すどころかもらうことの方が圧倒的に多い人。

そんな森永さんでもいまだにわからなかったりするんだ。

でも森永さんはそれで「俺は何がしたいんだろう?」なんて、決して悩んだりしない。

それは、いつだって「今、やりたいこと」に夢中になってるから。

それがず〜っと、昔から、今になっても続いているだけだから。

 

「そんな若い時に『お前は何がしたいんだ?』なんて言われても、わかるわけないんだよ。だって若い時なんて、まだほとんどのことをやったことねぇ〜んだからさ」

 

そんなふうに言っているのを聞いて、僕自身、どこかホッとしたのを覚えてる。

 

あぁ、別に、わからなくていいんだ・・・って。

 

革職人とか、家具職人とか、シルバー職人とか・・・

僕自身の中にも「この道一筋」の人、いわゆる「職人さん」と呼ばれる人への憧れの気持ちはある。だって、それってすごくかっこいい。

でも、僕自身はいまだに「どの道一筋」なのか? 自分でもよくわからないのだ。

その道は、もしかしたらこの先見つかるのかもしれないけれど、それ以前に、僕自身は「いろいろなことをやってみたい人」「いろいろなモノを作ってみたい人」なのかもしれない、なんて思う自分もいたりする。

まぁ、それは、どっちだっていいんだ。

 

「今、やってみたいこと」を全力で。夢中になって。

その先に、何があるのかはわからないけれど。

 

人も仕事(やりたいこと)も、最高の出会いはいつも「偶然」で「突然」で「いつの間にか」だ。

 

でも、その出会いは必ず「会わなければ」「やってみなければ」訪れない。始まらない。

 

だからまずは会ってみる。やってみる。

そして、会えば、わかる。やれば、わかる。

会った人すべてと仲良くなることも、やったことすべてが面白いなんてこともないけれど、それでオッケーなのだ。

だって、

「この人とは合わない」ということがわかるから。

「やってみたけどつまらない」ということがわかるから。

「これをやったらうまくいって、これをやったら失敗する」ってことがわかるから。

 

やる前から色々考えてみても、それはやっぱり「想像の範囲内」でしかないから。

 

「自分が本当は何をしたいのか?」なんて考え込む前に、今、気になっていることをまずは「やってみる」方が早い。

やってみて、「違うな」と思えば、すぐに次へ。そしてまた次へ・・・

それを繰り返しているうちに、「おっこれは!」と思うことや「いつの間にかやり続けていること」が必ず出てくると思う。

そして、やりたいことや好きなことを1つに絞る必要も全然ないかなって。

もちろん、自然と1つに絞れたら、それはそれで、素晴らしいことだけれど。

羨ましい・・・

 

だから僕は「作る人」というざっくりとしたイメージが好き。

なんでもいいのだけれど、僕は何かを「作る」ことが好きだ。

それだけが、わかってること。

何を作るかは、その時、その時で違うけれど。

 

もしかしたら、それが僕の「道」なのかもしれないし、この先に何か「〜〜職人」への道が待っているのか・・・それはわからないけれど。

 

まぁ、それは、この後の人生のお楽しみに・・・ということで。

 

今、自分の中で「これが自分の生きる道」なんてものが見えていなくても、別に落ち込んだり不安になったりすることはないんじゃない?っていうお話。

それを探し続けている限りは。

 

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