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product:「PARIS,TEXAS」

2020.12.27

<シンプルな物を作る事>は難しい。

限られた情報量の中で、<素材、形、ディテール>がむき出しとなり、誤魔化しが効かない。

だからこそとても「贅沢な物」なんだと思います。

 

シンプルな物を作る時には「素材探し」に多くの時間をかけます。

 

様々な国のタンナーがあり、製法がある革素材は、「良し悪し」を判断するのに知識が必要な事もあります。

アイテム毎に、適した<厚み><ハリ/コシ>、更に<手縫い><ミシン>といった縫製手法によっても選ぶ革が変わってくるのでなかなか大変な物です。

何よりも、<生き物>をそのまま素材にしている様なものなので、個体差はもちろん、部位で状態が違ったりする訳です。

とにかくそんな手間暇をかけて、素材にたどり着く訳ですが、、、良い素材だから何もしなくてもいいという訳では無くて、その素材の特徴を最大限に活かそうとする事が、冒頭の<シンプルな物作り>の難しさなんだと思います。

そんな事を考えながら制作した鞄「paris,texas」

 

素材に選んだのは、100年以上の歴史を持つシカゴのhorween社のクロムエクセルレザー。

植物の渋(しぶ)を使う「タンニン鞣し」と化合物をなめし剤にした「クロム鞣し」を組み合わせる「コンビ鞣し」という方法により原皮を鞣した独特の表情を持った素材。

十分なオイルを含んだプルアップレザーながら、マットな質感を持ったその革は、無骨ながらどこか品のある表情をしています。

 

2mm~2.3mm程度の厚みの個体が一般的に流通されていますが、重厚感に幅を持たせるために、希少な4mm厚の原皮を使用、そこから各パーツ毎に適した厚みに漉加工を行います、

 

シルエットはシンプルなボックスシルエット。

クロムエクセルは非常に柔軟性のある素材で、3mm近くの厚みでも、ミシンで中縫いしてひっくり返す事が出来るため、角に自然な丸みを持ったシルエットを作る事が出来ます。

フラップ縫製は手縫い作業で行い、両端にはほつれ止めの為にコッパーリベットを打ちます。細部のカットまで微妙なカーブを付ける事で、シンプルでも単調なイメージを持たせない様にしています。

 

 

 

フラップの開閉に関しては、あえて金具を用いずに、ベルト開きにしました。

鞄の<顔>ともなるこのディテールは、全体のイメージを決めてしまう箇所なので、光物は使わず、アナログに仕上げる事で、クラシックな雰囲気を醸す物になります。

金具や釦に比べれば、多少の煩雑さは感じますが、使っているうちにすぐに慣れてしまいまい、特に意識する事なく開閉出来る様になっていきます。

ショルダーベルトは4mmの原厚を活かした重厚感のある仕上がりになっています。

真鍮バックルで長さ調整が可能なので、男女問わずにお好みの高さで着用する事が出来ます。

真鍮金具は全てエイジング加工を行っており、真鍮特有の輝きを、少し「鈍く」に抑える事で、革質感とバランスを取り、全体の雰囲気を崩しません。

 

こうして出来た2つのサイズのショルダーバッグ。

無骨さを持ったシンプルな仕上がりで、男女問わず、どんな服装にもしっくりと合うのが特徴だと思います。

 

小さな<paris>と少し大きな<texas>

Vim wendersの映画「paris,texas」から名前を引用した、シンプルな革鞄。

是非店頭で実物も見て頂ければと思います。

 

<PARIS>

https://shop.cafesoultree.jp/?pid=142085112

Material:
<本体>牛革 
Size:
高さ 20cm/幅 15.5cm(底マチ幅)/マチ 4.5cm/ストラップ100cm~131cm
Color:
<本体>ブラウン/ブラック

<TEXAS>

https://shop.cafesoultree.jp/?pid=141195840

Material:
<本体>牛革 
Size:
高さ 17cm/幅 24cm(底マチ幅)/マチ 5cm/ストラップ100cm~131cm
Color:
<本体>ブラウン/ブラック

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